介護保険制度検証のための基礎調査

利用者の立場から検証する

 市民シンクタンクひと・まち社は、東京・生活クラブ運動グループ福祉協議会と共同で「介護保険制度検証のための基礎調査」を都内の500人の方々を対象に、1999年より2004年まで、定点で5年間10回の調査を企画し終了しました。

「介護保険法」は、社会福祉の方向を措置から権利へ、契約による選択可能な制度に大きく変えました。法の趣旨は社会的入院を解消するとともに家族介護の負担を減らす「介護の社会化」を謳っています。また、自治体が保険者になったことで、自分のまちらしい介護サービスをつくり出す分権自治への期待もあります。私たちの調査の目的は、介護保険を利用者側から検証し、2005年の制度見直しに向けて政策提案を行い、よりよい制度にしていくことです。

調査の目的

  1. 介護保険制度は、ご本人の身体状況が介護を要するようになったとき、保険でサービスを受けることができます。そこで、身体状況の変化に制度がきちんと対応できているかどうかを、利用者の立場から調査します。
  2. 介護を担う人のほとんどが女性といわれています。介護保険は、誰にとっても安心して年をとることができるように、介護サービスを社会の仕組みとして提供するものです。介護の社会化が進んだかを調査します。
  3. 介護保険制度は、見直しをすることが、はじめから予定されています。利用者にとって使いよい制度にするために調査の結果を生かして提案をします。

第1回から10回の調査項目

(調査)1999年~2003年度・1年に2回、5年間同じ人に調査

時期 内容
第1回 1999年6月~8月 高齢者の生活実態調査
第2回 2000年1月~4月 申請からケアプランまでの実態調査
第3回 2000年10月~11月 介護サービスの利用・介護者などに関する実態調査
第4回 2001年4月~5月 生活時間様式によるケアアセスメント
英語版 PDF Report Assessment of Care by Time for Daily Life
第5回 2001年10月 介護保険サービス利用と要介護者及び介護者の生活実態調査
生活時間様式によるケアアセスメント後期分
第6回 2002年6月 介護サービス利用の自己評価及び入浴について
第7回 2002年12月 介護保険サービスの利用および移送サービスに関する調査
第8回 2003年5月~6月 サービス事業者を選択するときに大切にしている考え方
第9回 2003年10月~11月 介護保険サービスの利用、介護者などの実態調査
第10回 2004年3、4月 ・今後の介護保険および地域福祉の充実に向けて
・ターミナルケア(終末期医療)について

概要版調査報告は、PDFファイルでご覧いただけます。

介護保険制度検証のための基礎調査 報告書

発行:東京・生活クラブ運動グループ福祉協議会/NPOひと・まち社

5年間の変化・103人の事例集(事例研究会報告書)表紙

◆5年間の変化・103人の事例集(事例研究会報告書)

2006.5.31発行 2000円

介護保険制度検証のために基礎調査(1999年6月~2004年4月)

・5年間、毎年2回計10回の調査の中で継続してデータを得られた103の事例をもとに、 介護のあり方やサービスの使い方を小林良二先生にアドバイスを頂きながら検討したものをまとめました。 介護が必要になったとき、また現在介護生活におられる方、介護を仕事とする方などに、 広くご活用いただければ幸いです。

最終報告書(第1~10回調査)表紙

◆最終報告書(第1~10回調査)

(2005.3.31発行)2000円

  • 基礎調査(5ヵ年経時の分析・事例検討)
  • 地域福祉計画を市民でつくろう

◆報告書1(第1・第2回調査)1999~2000

  • 第1回 高齢者の生活及び介護の実態調査
  • 第2回 介護保険の申請・認定・介護サービス実態調査

◆報告書2(第3・第4回調査)2000~2001

  • 第3回 介護サービスの利用・介護者に関する実態調査
  • 第4回 生活時間様式によるケアアセスメント

◆報告書3(第5・第6回調査)2001~2002

  • 第5回 介護保険サービス利用・要介護者と介護者の生活実態調査
  • 第6回 介護保険サービス利用の自己評価および入浴の実態調査

◆報告書4(第7・第8回調査)2002~2003

  • 第7回 介護保険サービスの利用及び移送サービスに関する調査
  • 第8回 サービス(事業者)を選択するときに大切にしている考え方

◆報告書5(第9・第10回調査)2003~2004

  • 第9回 介護保険サービスの利用・介護者等に関する実態調査
  • 第10回 介護保険・地域福祉の充実に向けて

■1部/2,000円(送料実費、)お申し込みはひと・まち社まで、電話/fax、メールでお願いします。冊子到着後、郵便振替で代金をお支払いください

介護保険利用者によるサービスチェックリスト

利用者の視点でサービス提供事業者をチェックする!
『介護保険利用者によるサービスチェックリスト』が出来ました

介護保険利用者によるサービスチェックリスト

 今回完成した『サービスチェックシート』は利用者の皆さんが項目にそって事業者をチェックすることで利用者が自ら事業者を評価するしくみを作りたいと思って検討を重ねてきたものです。利用者が求めるサービスは一人ひとり違います。このチェックシートに沿ってチェックすることによって、あなたが事業者に求めていることを明確にし、事業者との話し合いに生かしていくことができます。

 また、ひと・まち社では利用者の皆さんがチェックしてくださったものをデータとして回収し、ある程度データが集まった時点で、より客観的なデータとして、個人情報に十分配慮しながら、事業所の情報を公表することで、利用者のニーズに応じたサービス提供事業所を選択できるしくみにしていきたいと考えています。

 この『介護保険利用者によるサービスチェックリスト』はご希望の方に無料で差し上げています。ぜひ大勢の介護保険サービス利用者、あるいはご家族の方が、この「サービスチェックリスト」を使って利用者の視点で事業者を評価し、その情報を大勢の利用者が役立てることのできるしくみづくりのためにご協力くださるようお願いします。

介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査 3年間の調査報告書

これまでの経過と調査の概要

 2000年に介護保険サービスが導入され、それまで家族の仕事であった介護の社会化がすすめられてきた。その後、2回の介護給付の見直しを経て、2006年から介護予防制度が導入された。しかし、介護予防の導入にあたっては、要支援のケアプラン作成は地域包括支援センターが担当することとなっていたため、ケアマネ難民が出るのではないかとか、今まで使っていたサービスが使えなくなるのではないかなど利用者からは不安の声が寄せられていた。

 そこで、介護予防制度の検証をはかるため、介護予防の対象となると予想される旧来の要支援、および要介護1の介護サービス利用者を対象に調査を実施することとし、身体状況の変化、介護度の変化、介護保険および保険外で利用しているサービス、自立生活を送る上でほしいと思うサービス、困っていることなどの調査を3年間の継続調査として行うと同時に、自治体、地域包括支援センターの調査、第2回調査では事業者の調査も併せて行った。

介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査 報告書画像1
介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査 報告書画像2

1.調査の目的

  1. 介護保険制度を利用する100人の対象者に対し、3年間3回の継続調査を行うことで、新たに導入される「介護予防」の制度によって自治体がどのようなサービスを提供し、在宅での高齢者の生活がどのように変化するのかを検証する。
  2. できるだけ長く自分でできることを維持するための介護予防にはどのような支援を必要としているか、その実態を調査する。
  3. 政策提案と地域の市民が作り出す地域福祉の活動を展開するために調査結果を活用する。

2.調査対象

 東京都内在住の新予防給付対象となる可能性のある要支援、要介護1の介護保険制度の利用者100~150人、各自治体で3~5人程度を対象者とする。 さらに、意思あるメンバーのいる3自治体では対象者を30人くらいに広げて調査を実施し、自治体の特徴を分析する。自治体調査は東京都23区、26市、1町とする。

3.調査方法

調査員による対面、聞き取りを基本とした定点への継続調査とする。

4.調査期間

2006年6月~2008年の3年間。

第1回 2006年6月 利用者調査(現況調査)、自治体調査
第2回 2007年5月 利用者調査(新予防給付導入による認定移行とサービス利用調査)
自治体調査、事業者調査、地域包括支援センター調査
第3回 2008年5月 利用者調査(サービス利用内容と生活の変化)
自治体調査、地域包括支援センター調査

5.調査内容

  1. 介護予防の導入による介護度の変化とサービスの利用、生活の変化を調査する。
  2. 自治体介護予防メニューの調査。
  3. 利用者のニーズと公的なしくみとして整備するべきことの調査。

6.調査結果の回答数

第1回調査 利用者調査 162人 自治体調査 49自治体(文京区無回答)
第2回調査 利用者調査 137人 自治体調査 49自治体(千代田区無回答)
地域包括支援センター調査 60か所(46自治体)
事業者調査 38事業所
第3回調査 利用者調査 106人 自治体調査 46自治体(新宿区・墨田区無回答/八王子市・東村山市実施せず)
地域包括支援センター調査 59か所(40自治体)

報告書一覧

市民後見活動に向けた調査

「市民が担う成年後見」連続講座(入門編)を実施しました

認知症高齢者は300万人を超えたと推計され、今後ますます自分で判断したり、意思決定することが難しくなってくる高齢者・障害者が増えてくると思われます。介護保険制度と同時にスタートした成年後見制度ですが、専門職による後見は限りがあると言われており、身近な市民が担える仕組みを考える第一歩の講座として開催しました。

1月12日~14日、お正月明け早々の3連休の講座でしたが、介護現場に携わる方、ご家族など身近に必要性を感じている方など、幅広い方から問い合わせをいただき、定員を超える33名の申込みがありました。

日常生活は様々な契約によって成り立っています。自分で判断することが難しくなってくると毎日の買物、預貯金の管理、サービスの利用など、日常生活には様々な不都合が生じてきます。講座では、なぜ成年後見制度が必要なのか、成年後見制度のしくみ、後見人の仕事の内容、申し立ての流れ、相談機関などを弁護士、司法書士、社会福祉士などの専門職の方々などから学びました。

最終日は、あいにくの大雪となりましたが、神奈川で市民後見活動をしている「ワーカーズあうん」の活動報告を受け、事例検討のワークショップでは活発な議論が交わされました。一人ひとり事情が違いますし、正解があるわけではないけれど、色々なネットワークや制度を使ってどのように支える仕組みを作れるか、グループごとに熱心な話し合いがすすみました。入門編に続く講座の希望も出され、今後については改めて検討していく予定です。